デレク・ベイリー / インプロヴィゼーション - 即興演奏の彼方へ (1981年初版) [工作舎 / B000J7O3DO]

デレク・ベイリー / インプロヴィゼーション - 即興演奏の彼方へ (1981年初版) [工作舎 / B000J7O3DO]

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商品詳細

■初版/カバー付/帯付。
■状態:B/経年による多少の使用感、焼けや色あせ、汚れ、薄いスリキズ等あるが中身は概ね良好品。

282ページ
デレク ベイリー (著), 竹田 賢一 (翻訳), 斉藤 栄一 (翻訳), 木幡 和枝 (翻訳)

フリー・インプロヴィゼーションの最前線に立つギタリスト、デレク・ベイリー。本書は、彼がジャズ、ロックをはじめ、インド音楽、フラメンコ、バロック音楽、教会オルガン音楽、現代音楽などのさまざまな分野の即興演奏家たちと語らい、インプロヴィゼーションの本質を衝いた初の即興演奏論の試みである。


■目次より

序文
音楽上のテクニックや作曲形式で、即興演奏による実践から発していないもの、本質的にその影響をうけていないものなどない─E・T・フェラント

第一章 インド音楽
【ラーガの本質】
「ラヤ」は、宇宙空間とかエネルギーを説明するさいに出会う、連続的・ダイナミック・均衡・弾道・遠心力の、といった言葉であらわされる─デレク・ベイリー
【インプロヴィゼーションの学習】
ラーガのフィーリングとは、身についた直観力のことです─ヴィラム・ジャサニ

第二章 フラメンコ
【創造の原動力としての即興】
ほんの少し、即興演奏に身をまかせることで、曲のなかである高みに達することとがある。そのほんの少しが、曲全体の性格を一変させてしまう─パコ・ペーニャ

第三章 バロック音楽
【通奏低音の和声づけ】
過去の音楽家は゛耳″を゛理性″の下に位置づけるという誤りをおかしてきた─J・D・ハイニヒェン
【装飾としてのインプロヴィゼーション】
われわれは現代のレコーディング・テクニックと放送によってあまりにも条件づけられている。もっとより生き生きと、その゛場″を感じてもいいんじゃないか─ライオネル・ソルター

第四章 教会オルガン音楽
【即興に生きてきた教会オルガニストの伝統】
インプロヴィゼーションは、たんに自己表現のひとつであるばかりでなく、礼拝が進行していくために必要とされる不可欠な要素を含んでいる─スティーブン・ヒックス
【フランス教会オルガン楽派】
即興演奏家にとって、もっとも大事なことは速く考えられるということだ─ジャン・ラングレー

第五章 ロック
【[イエス]の即興演奏とは】
ぼくがいい即興と認めるのは、音が前に押し出されてくる……、ひとつひとつの音がそれだけで価値をもってくる……これだね─スティーブ・ハウ

第六章 聴衆
【「場」とともに起こる即興演奏】
インプロヴィゼーションの聴衆は、ほかの音楽の聴衆にはないある力をもっている─デレク・ベイリー

第七章 ジャズ
【硬直した゛伝統的″なジャズ】
音楽の演奏活動と創作活動とが分離される必然性がないこと、また楽器による即興演奏は、それがもっともうまくいったときは、最高の音楽表現に達することができるということを、ジャズをとおして思い出すことができる─デレク・ベイリー
【フリー・ジャズはよみがえるか】
いつでも知られざるものの淵にいて、跳躍の準備をしておくこと、そして。いざ向こうへいこうというときには、準備をした手段がすべて手元にあり、あとは知られざるものにひと跳びするだけです─スティーブ・レイシー

第八章 現代音楽
【作曲家とインプロヴィゼーション】
ジョン・ケージが゛チャンス″というプロセスを厳密に、またそれだけを追求していたのと同じころ、私は即興的な形式について考えていた─アール・ブラウン
【即興のできない演奏家】
インプロヴィゼーションは、未知の詩で、それとともに前進できるかもしれないが、精緻に書かれ記譜された曲の演奏では、自分がほんとうに前進することはない─アンソニー・ペイ
【即興的作品の演奏】
シュトックハウゼンは、いつもフリーな作品と作曲された作品とをまぜようとする。即興演奏のイディオムと、厳密に記譜された作品のイディオムとが、どんな関連をもっているのか、この方法だとよくわかるのだ─アンソニー・ペイ
【インプロヴィゼーションと作曲家の意図】
私の理想とする音楽をやってくれるのは、音楽が演奏されるまさにその時に、現実におきている正確な感情的、音響的、心理的状況、そしてもっと微妙な雰囲気のような状況に呼応して、自由に即興演奏をする、そういうミュージシャンの集まりだとおもっている─ヒュー・ディヴィーズ

第九章 フリー・インプロヴィゼーション
【フリー】
フリー・インプロヴィゼーションへ導いた衝動の大部分は音楽言語の崩壊に由来する。もっと正確にいうなら、音楽言語をつかさどる゛規則″の崩壊に由来する─デレク・ベイリー
【ジョセフ・ホルブルック】
私たちは、集団的な言語を発展させた。意識的にくみたてた言語ではなく、個々の段階では各人が提供する要素によって成立する象徴的なものとしての言語を。それは総合すると、個別の部分を合わせただけのものを超越する─ギャヴィン・ブライヤーズ
【ミュージック・インプロヴィゼーション・カンパニー】
ある演奏者の演奏法を大きく規定するのは、その楽器を演奏するときの触覚的エレメント、身体的体験、それにこの器楽的衝動などに対する演奏の姿勢である─デレク・ベイリー
【楽器の選択】
即興的演奏のテクニックは、あふれるような創造的インパルスを表現するのに必要な知的、精神的、力学的エネルギーと直接、調子をあわせるためにある─リーオ・スミス
【レコーディング】
インプロヴィゼーションが重要な役割をはたしている現実の音楽において、レコードは凍結された、固定化された瞬間しか与えてくれない─アラン・ダニエル
【ソロ・インプロヴィゼーション】
音楽的な要素のなかで、もっとも重要な操作ができるピッチの利用を故意にさけるのは、即興演奏者として頑迷すぎると自覚した─デレク・ベイリー
【インプロヴィゼーションへの批判】
いま、私がインプロヴィゼーションに反対している理由のひとつは、音楽創造をしている人物と、音楽とがかならず同一視されてしまうことだ─ギャヴィン・ブライヤーズ
【インプロヴィゼーションの教育】
やかん─なんらかの音、水の事態、そしてなぜ水を沸騰させるのかという問題。それはいったい音楽だろうか。音楽とはなにか。また、音楽でないものとはなにか─ハン・ベニンク
【自由と制約】
日常生活では、たくさんのレベルでたくさんの相が同時進行している。音楽と日常の生活のあいだには、並行しているものがある─ミシャ・メンゲルベルク
【制約と自由】
インプロヴィゼーションの本質は、音楽の本質に似ている。インプロヴィゼーションは、音楽の演奏じたいがもつ非言語性とぴったり合致している。音楽を追究する最良の領域は即興演奏だともいえる─デレク・ベイリー


■著者紹介:デレク・ベイリー Derek Bailey
1932年1月29日、イギリスのヨークシャー州シェフィールドに生まれる。独学でギターを習得し、55年から65年にかけて、ダンス・ホール、劇場、放送局、レコーディング・スタジオなどで、プロの゛コマーシャル″ギタリストとして従事。60年代半ばからフリー・インプロヴィゼーションを中心とした音楽活動を実践する。70年、エヴァン・パーカーらとともにフリー・ミュージックのレコード会社〈インカス〉を設立。以降、ソロをはじめ、自身が主宰する即興演奏家の集団〈カンパニー〉とともに、インプロヴィゼーションの可能性を追求している。78年以来、数度来日コンサートを行う。

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